過去のクライアントとの実績からデザインコンペ参加のお声がけをいただき、客室の基本デザイン業務・デザイン監修業務を受注いたしました。

クライアントに、当社の提案をよりご理解いただき、実際の「シーン」としてイメージしてもらえるよう工夫を凝らしました。制作したカスタマージャーニーについては、ペルソナの設定から、チェックイン前からチェックアウト後までのゲストの滞在シークエンスを詳細に設定。実際にホテルで働くスタッフの方が見ても、滞在体験が理解できるように資料を設計しました。

マーケティング資料の中で、他施設のレビューのAI分析で可視化された課題をクライアントに提示し、提案の裏付けとして厚みを持たせました。

オリジナリティの高い提案を目指し、与件を超えたプラスアルファのビジョンを示し、クライアントに寄り添い高い価値創出を目指しました。コンセプトに忠実でありながら、体験の付加価値をデザインに落とし込むことに注力をし、プロジェクトメンバーをリードするべくゴールの共有をし、全員が同じ方向を向いて高品質な着地が実現しました。

設計担当としてコンペ時からのコンセプトの体現を目指すとともに、関係者が多い中で会議を重ね、施主・関係者を含めた連携がスムーズにいくように心がけました。

過去のクライアントとの実績と、客室デザイン業務の受注から、客室FF&E工事の入札参加のお声がけをいただき受注。客室家具(ヘッドボード、ミニバー、バゲッジ台、テーブル、ソファ、チェア等)、 二段ベッド、特注照明、コントロールパネル、カーテン、クッション、アート、ディスプレイの製作及び搬入設置を行いました。

FF&Eの実施設計を担当しました。クライアントに機能面をヒアリングし、社内で連携しながら実施設計図としてまとめました。こだわった点は、ミニバーの仕上げ材の、ナグリ加工を施したパネルです。デザイナーの希望する意匠を守りながら、強度面や耐久性を確保するために、何度も試作製作して検証を進めた点でした。

信頼できる番頭さん、職人さんを東京から沖縄へ連れ出したことで、慣れない土地でもスムーズに施工・工事を終えることができました。また、沖縄の気候に苦労しながらも、気候に合わせた施工方法を工夫しました。

海外家具製作工場の電力不足等の複合的な状況による資材高騰、海外輸送便の急な欠航やコンテナ使用期間の圧縮による現場搬入問題の懸念等、世界情勢の影響を大きく受けました。社内や協力会社もさることながら、クライアントや建設会社とも協議し、関係者全員で完了に向けて協力し合った案件でした。

世界的なコンテナ不足による搬入の遅れなどのイレギュラーな状況がある中で、横断的にチームワークを発揮し、計画通り納品日を迎えることができました。